年齢別予防歯科(中高生・大人・シニア)
永久歯を健やかに保ち、快適な毎日を送るための予防歯科のポイント

永久歯に全て生え変わったら、もう二度と生え変わることはありません。大切な永久歯を健康に保つことは、美味しく食事を取れるだけでなく、体の健康にとっても不可欠です。大人の歯の予防歯科のポイントを年代別にご紹介します。
中高生の予防歯科

まだまだ虫歯リスクの高い時期に予防意識を定着させ、一生健康な歯を目指す
中高生になると、お口の管理はほぼ完全に自分自身で行うようになります。ですが、親の管理を離れるこの時期独特の虫歯、歯周病リスクがありますので注意が必要です。この時期に歯を大切にすることで、将来的に格段に歯を健康に保てる可能性が高まります。
中高生の時期のお口の環境の特徴

1.食生活が乱れがちです
中高生の時期というのは、塾や部活、習い事などで食事の時間が不規則になったり、おやつやジュースを買って口にしたりなど、食生活が何かと乱れがちです。

2.親の管理を離れ、歯磨きが疎かになりがちです
歯磨きを親に管理されることもなくなってくるこの時期は、磨き方がいい加減になったり、歯磨き自体サボってしまったりすることもあります。

3.思春期性歯肉炎が起こりがちです
思春期になると、食生活や生活習慣、ホルモンの変化などが原因で起こる歯肉炎が起こりやすくなります。

虫歯リスクの高い時期ですので、定期的な検診を受けるとともに、歯のクリーニングや、自分で正しく磨けるようになるためのブラッシング指導を受けることが大切です。また、生えて間もない永久歯もありますので、歯を強化するフッ素塗布も定期的に行うことをお勧めします。また、おやつの食べ方、食生活上の注意についてのアドバイスも受けておくとよいでしょう。
大人の予防歯科

歯周病、大人虫歯に注意したい時期
成人になり、歳を取るにつれ、虫歯リスクは子供の時期に比べて少なくなりますが、それに変わって歯周病リスクが高くなってきます。虫歯と歯周病は全く違う病気ですので、例え虫歯がゼロの人でも油断はできません。そのため、この時期には虫歯予防はもちろんですが、それ以上に歯周病に対するケアが必要になってきます。また、大人独特の「大人虫歯」にも注意したいところです。
大人のお口の環境の特徴

1.歯周病リスクが高くなる
30代以上の8割程度が歯周病、もしくはその予備軍と言われているほど、歯周病にかかる人が増えてきます。歯周病は歯の周囲の骨などの組織が破壊される進行性の病気です。
ほとんどの場合は慢性的にゆっくりと進行するため、初期の頃には気付きにくいのですが、進行してから治療しても手遅れになりがちなので、いかに歯周病を予防するか、初期に治すか、ということが大事になってきます。
ほとんどの場合は慢性的にゆっくりと進行するため、初期の頃には気付きにくいのですが、進行してから治療しても手遅れになりがちなので、いかに歯周病を予防するか、初期に治すか、ということが大事になってきます。

2.大人虫歯が増えてくる
大人になると、子供の時のような虫歯は減りますが、中高生の時に治療した詰め物や被せ物内部の虫歯や、歯周病で歯茎が下がって露出した歯根にできる「大人虫歯」が増えてきます。見えにくい部分にできることが多いので、見落とされて手遅れになってしまうことも多いため、注意が必要です。

虫歯や歯周病は、初期の頃には症状を出しにくいので、定期的に検診を受け、早期発見・早期治療を心がけることが大事です。また、毎日の磨き残しの蓄積が虫歯や歯周病の原因となるため、こちらも定期的にクリーニング(PMTC)をし、磨き残しの出にくいブラッシング方法の指導を受けることも大切です。
歯根が露出して虫歯リスクが高まっている場合には、その部分の歯質を強化するフッ素塗布をおすすめする場合もあります。
シニアの予防歯科

しっかりと噛める状態を予防歯科でキープし、ハツラツとした毎日を
シニア世代の方にとって特に大事なのは、「しっかりと噛めること」「お口の中を清潔に保つこと」です。しっかりと噛めることにより、食事の喜びを感じられるだけでなく、認知症予防、運動機能の向上にも繋がり、ハツラツとした毎日を過ごしやすくなります。
また、お口の中を清潔に保つことにより、誤嚥性肺炎の予防、ウイルス感染症対策にも大きな効果があります。
また、お口の中を清潔に保つことにより、誤嚥性肺炎の予防、ウイルス感染症対策にも大きな効果があります。
シニアのお口の環境の特徴

1.歯をどんどん失いやすい
唾液の分泌が落ちるため、自浄作用が低下し、汚れが蓄積しがちで虫歯や歯周病が悪化しやすくなり、歯を失うことが多くなってきます。

2.口臭が強くなりやすい
お口のケア不足や、虫歯・歯周病の悪化、入れ歯に蓄積した汚れなどから口臭が強くなりがちです。

3.お口の粘膜トラブルが起きやすい
お口の粘膜が乾燥しがちになるので、粘膜に炎症を起こすことが多くなります。また、ケア不足によりお口のカンジダ症を起こしやすくなります。

4.飲み込む機能が低下し、誤嚥を起こしやすい
お口周辺の筋力低下により、飲み込む機能が低下し、むせる、誤嚥、といったことが多くなります。

しっかりと噛める状態をキープできるよう、歯を1本でも失わないようにすることが大事です。そのためには定期的な検診、クリーニングなどのメインテナンスを怠らないようにしましょう。入れ歯をお使いの方も、調子良く使っていけるようにするには定期的なチェックが大事です。
高齢者の方にとって、お口の中を清潔に保つかどうかというのは、生死を左右する問題につながることもあります。お口を健康に保つことで体を健康に保ちやすくなるというのは、近年明らかになってきていることでもありますので、ぜひ短い間隔でメインテナンスを受けて気持ちの良いお口を保つようにしましょう。